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㉑意地悪な先輩

「今日のミーティングで指示したことは、並木さんと詰めてメールで報告してください。では、行ってきます」 2泊3日の海外出張に行く三代目をロビーまで見送ったあたしは、まだ何か言いたそうにしている上司に深く頭を下げた。「わかりました。気をつけて行ってらっしゃいませ」「…」「?」「いや、何でもありません」「はぁ…」 なんとも間が抜けたお見送りになってしまった。ま、いっか。  三代目の背中が見えなくなるまで見送... <span style="font-size:large;">「今日のミーティングで指示したことは、並木さんと詰めてメールで報告してください。では、行ってきます」<br /> 2泊3日の海外出張に行く三代目をロビーまで見送ったあたしは、まだ何か言いたそうにしている上司に深く頭を下げた。<br />「わかりました。気をつけて行ってらっしゃいませ」<br />「…」<br />「?」<br />「いや、何でもありません」<br />「はぁ…」<br /> なんとも間が抜けたお見送りになってしまった。ま、いっか。<br /> <br /> 三代目の背中が見えなくなるまで見送って、企画開発事業部へ戻ろうとしたあたしは聞き覚えのある女性の声に呼び止められた。<br />「ちょっと」<br /> うわ、溝口さんだっ。<br /> 焦った気持ちが、そのまま顔に出てしまったらしい。<br />「なによ、その、迷惑そうな表情」<br /> 早速、噛みつかれてさらに慌てた。<br />「い、いえっ。あ、あのっ」<br /> そんなあたしを背の高い溝口さんは相変わらず見下ろすようにしながら、今日はひと際赤い唇を歪めて言った。<br />「まるで秘書気取り…ううん、恋人気取りね」<br /> へ?どこからどう見れば、そんな風に見えるのだろう?全くわからない。<br />「専務の背中が見えなくなるまで見送るなんて、そんな健気(けなげ)なことイマドキの若い子はしないんじゃないの?なにか策略や媚売るつもりでもない限り」<br />「策略?媚?」<br /> あまりの言葉に、オウム返しで訊いてしまった。<br /> この人、こんな人だっただろうか。インターンシップのときは確かに厳しい人ではあったけれど、こんなにあからさまに嫌味を言う人ではなかった、はず。<br />「あ、いえ。ちょっとぼぅっとしてて。見送ってたというより、考えごとをしてたんです」<br /> それは本当のことだった。何か言いたそうな三代目の表情に、画廊の前で惺と一緒に会った夜のことを思い出してしまったのだ。<br />「へ~え、考えごと。どうしたら専務につけいることができるか、とか?」<br /> あまりの言いように、さすがのあたしもカチンときた。<br />「あ、あのっ」<br />「なによ!」<br /> く…溝口さんの方が、迫力がある。 で、でも、負けてはいられない。<br />「あ、あたしっ、ちゃんと、す、好きな人がいますからっ」<br /> 思わずそう言ったのだけれど、溝口さんがぽかんとした顔をした。 あ、あれ?なんか間違えた?<br /> けれども溝口さんはすぐさま、ニィと笑った。結構楽しそうなその表情を見て、なんだか嫌な予感がしたのだけれど。<br />「あらぁ、それは失礼。そう、そんな人がいたの?で、もちろん両想いの恋人なんでしょうね?」<br /> ぐぅ…、やられた。<br /> かつては両想い、でもいまは?<br /> いまは…違う。つまり、あたしは失恋したってことだ。<br />「あら、どうしたの?急に顔色が悪くなって。さっきの勢いは、どこ行っちゃったのかしら」<br /> 溝口さんはどこまでも楽しそうで、そして意地悪だった。<br />「りょ、両想いではないです、きっといまは。でも、忘れられないひとなんです」<br /> 最初とは打って変わった小さな声で、あたしは言った。<br /> ふん、と溝口さんはあたしを再び睨(ね)めつけると言った。<br />「忘れられないなんて言っておいて、イマドキの女子はすぐに心移りするから。おまけに振られた相手なんでしょう?どうだか、信じられないわねぇ」<br /> なにも、彼女に信じてもらう必要はない。<br /> あたしの心に、むくむくと反抗心が湧いてきた。<br /> 誰にもわかってもらう必要なんかない。そう、これはあたしの大切な想いなんだ。有さんとのことは、生涯で唯一の宝物なんだ。誰もそれを奪えない、まして非難なんか。<br />「そろそろ失礼します。仕事に戻りますので」<br /> 今度は溝口さんの眼を真っ直ぐに見て、はっきりとそう告げることができた。<br />「な、なによ」<br /> あたしのきっぱりとした態度に、溝口さんが少し怯(ひる)んだ。<br /><br /> 想いはひとを強くする。<br /> それが、真実ならば。<br /> 有さんへの想い、それは紛れもなくあたしの中心に変わらずあり続ける真実なのだと改めて実感した。<br /><br /><br />✵ ✵ ✵<br /><br />その後も、溝口さんの口撃(こうげき)は事あるごとに続いた。<br /> ある日、その現場を目撃してしまった並木さんの怒りは、あたし以上だった。<br />「まったく、あの意地悪ばばぁ!!」<br /> 怒りを込めてそう吐き捨てながら、並木さんが企画開発事業部のドアをばたんと大きな音をさせて閉める。<br /> たまたま企画開発事業部で、雑誌を読みながら暇つぶしをしていた浅野さんがちょっと驚いたように顔を上げた。<br />「どうした、リオン。すげぇ怒りようだな」<br /> そう声を掛けた浅野さんを怒りのせいかまるっと無視して、並木さんは眼を吊り上げたまま腰に手を当てて仁王立ちになった。<br />「もうっ、菜乃果に何の恨みがあるってのっ。菜乃果も菜乃果だよ!言われっぱなしで悔しくないのっ」<br /> 悔しいというか、最近はなんであそこまで突っかかってくるのか逆に不思議だ。<br /> ふぅ~っと、並木さんは大きく息を吐くと天井を仰いだ。<br />「もうっ、アッタマに来たっ。彼女の嫌がらせの一部始終、専務にチクってやる!」<br />「おいおい、リオン。ホント、どうした。穏やかじゃないな」<br />「並木さん、専務は関係ないよ」<br />「だって!」<br /> そんなあたしたちを見比べるように見ていた浅野さんは、コーヒーを淹れるとカップを2つ打ち合わせテーブルの上に置いた。<br />「まぁ、飲めよ。で、落ち着いて何があったか話せよ、ふたりとも」<br />「せっかく浅野さんが淹れてくれたんだから、コーヒー飲も。ね、並木さん」<br /> そう言ったあたしに、まだ憮然とした表情を崩さないまま、それでも並木さんはやっと椅子に座った。<br />「コーヒー、ありがとうございます」<br /> お礼を言ったあたしに、浅野さんが「おぅ」と答える。<br /> 温かいコーヒーを飲んでやっと落ち着いた並木さんは、浅野さんに促されるままにさっきあったことを語り出した。途中で思い出したのか、時折怒りを再燃させながら。<br /><br />「ふ~ん。で、なんでリオンが怒ってるんだよ。当事者の菜乃介より」<br />「そうだよ、菜乃果もっと怒りなよ、戦いなよ。そんなんだから、ナメられるんだって!」<br /> いや、並木さん。浅野さんが言ったのは、そう言う意味じゃないと思うよ?<br />「だって、もう慣れたし。最初は腹が立ったけど、いまは何でそんなに言うかなぁ~って」<br />「おいおい、慣れるほど、そんなに何度も言われたのか?」<br /> 浅野さんが驚く。<br />「普通、慣れないでしょ。悪口なんか、意地悪なんか」<br /> 並木さんが若干、呆れたように言う。<br /><br /> う~ん、でもなんか最近、前みたいにグサッと来ないんだよねぇ。だって専務のことは尊敬できる上司だとは思うけど、それ以上でも以下でもないし。<br /><br />「ったく、あの女。専務に気があるのに、相手にされないからって」<br />「まぁ、直樹はモテるからなぁ。俺の弟だし」<br />「モテることは否定しませんが、浅野さんの弟だって言うのはむしろマイナス要因ですっ」<br />「っ、おまっ。リオン、酷いこと言うねぇ」<br /> お、浅野さんと並木さんのボケ・ツッコミが、またはじまったか?<br /> ちょっとワクワクしながら、ふたりのやり取りを見守ってしまう。<br /> あたしの期待に応えるかのようにひとしきり浅野さんとバトルを続けていた並木さんが、いまさらのように「はっ」と気づく。<br />「もうっ、浅野さん。余計な口挟まないでくださいよ。話しがすっかり横道にハズレちゃったじゃないですかっ」<br /> 今度はぷぅと頬をふくらます並木さんに、浅野さんが笑いながら言う。<br />「はは、ワリィ、ワリィ。けど、さ。怒り収まっただろ、リオン?」<br />「もうっ!!」<br /><br /> ふふ。ホントいいコンビだ、浅野さんと並木さんは。そしてこのふたりがいてくれるから、あたしはいろんなことに耐えられる。<br /> 溝口さんの意地悪より苦しいのは、彼女の言葉に有さんを想い出してしまうことだ。有さんへの想いで心が決壊しそうなって、逢いたい気持ちを抑えるのがとてもとても苦しいのだ。<br /> だからいつも、彼女の前からそそくさと立ち去ろうとしてしまう。それか負け犬みたいに見えたとしても、かまわない。だって、そうしないと壊れてしまいそうだから。<br /> そんなあたしの姿は、きっと並木さんにはとても情けなく見えただろう。<br />でも、でもね、無理なの。<br />有さんへの焦がれる想いを抱えたまま、満たされない心と悲しい不安と、それでも忘れられない自分をときどき可哀想に思いながら、あたしは毎日やっと生きている。見えない細い細い糸が、いまのあたしと現実世界を繋いでいる。いつ切れるとも知れないそれを、あたしはかろうじて手繰っているだけに過ぎない。糸が切れて奈落に落ちられたら、どんなに楽だろう。本当に、どんなにか楽だろう。<br /><br />「菜乃果っ、負けちゃダメだからねっ!」<br />「う、うん」<br />「専務はあの女のことなんか、歯牙にもかけてないんだから」<br /> え、そっち?<br />「あ、あの並木さん…」<br />「わかってる、わかってる」<br />「いや、あの。あたしね、好きなひと、ずっと好きなひと、いるから」<br /> 並木さんと浅野さんが、一瞬顔を見合わせて何とも言えない表情をつくった。<br /><br />「だからさ、リオン。俺、言ったろ?」<br />「だぁっ、うるさいっ。あたしはっ、あたしなりにっ」<br />「だからそれが、余計なお世話なんだって」<br />「余計なお世話って何だぁ~!」<br /> なんかわかんないけど再びバトルがはじまった。<br /> そんなふたりを見ていたら、可笑しくて可笑しくて。あたしは、涙が出るほど大笑いした。そして笑いも涙も止まらなくなって、結局ふたりを困らせたんだけど。<br /><br /> ぽろぽろぽろぽろぽろぽろぽろぽろ。<br /> 笑いに誤魔化した涙はちょっとだけ、あたしの苦しさを洗い流してくれた。</span><br /><br /><br /><a 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  • Date : 2017-04-05 (Wed)
  • Category : アイス
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