プロフィール

Author:mikazuki0602
ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村
オリジナル小説の
実験室へようこそ♪
本業の傍らゆるゆる
のんびり更新してます。
ざっくり気ままな試作でつが、
著作権は放棄していないでつ。
初めての方は「New!更新情報」
or「contents」からどうぞ。
(*´ω`*) Since 2013.6.2

【R18限定記事について】
男のひと目線の描写じゃなく、女子目線でホントのところを描きたいでつ お読みいただくには、パスワードを入力いただくか下記URLからどうぞ 「小説家になろう」グループ内 R18女性向小説サイト「ムーンライトノベルズ」 灯凪田テイルのXマイページへ移動します。 http://xmypage.syosetu.com/x1507h/
メール

名前:
メール:
件名:
本文:

カレンダー
03 | 2017/04 | 05
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 - - - - - -
カウンター
フリーエリア

スポンサーサイト

<!-- passive:etc --><div style="text-align:center;margin-bottom:10px;"><iframe src='//assys01.fc2.com/1375' style='width:300px;height:250px;border:none;' scrolling='no'></iframe><!-- FC2管理用 --><img src="//media.fc2.com/counter_img.php?id=1368" width="1" height="1"><!-- FC2管理用 --></div><div style="font-size:8px;">上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。<br />新しい記事を書く事で広告が消せます。</div>
630

⑳三代目と惺

 そろそろ帰ろうと、瑞希さんと別れたところで、スマホがぶるると鳴る。「惺?」「うん、菜っ葉まだいる?」「もう、帰ろうと思ってたとこ」「そっか、あと3分くらいで着くんだけど」「じゃ、外で待ってる」 そう言って、あたしはティーサロンを出ると画廊に寄って祥子さんに挨拶してから表へ出た。 しばらくすると、駆けてくる惺の姿が見えた。「菜っ葉、ごめんごめん」「ううん。忙しかったなら、無理することなかったのに」... <span style="font-size:large;"> そろそろ帰ろうと、瑞希さんと別れたところで、スマホがぶるると鳴る。<br />「惺?」<br />「うん、菜っ葉まだいる?」<br />「もう、帰ろうと思ってたとこ」<br />「そっか、あと3分くらいで着くんだけど」<br />「じゃ、外で待ってる」<br /> そう言って、あたしはティーサロンを出ると画廊に寄って祥子さんに挨拶してから表へ出た。<br /> しばらくすると、駆けてくる惺の姿が見えた。<br />「菜っ葉、ごめんごめん」<br />「ううん。忙しかったなら、無理することなかったのに」<br /> 今日、惺はどこかに提出する論文の件で、指導教授に呼ばれていた。もしかしたら画廊の10周年パーティーに行けないかも、と事前に訊いていたのだ。<br /> パーティーは明日の日曜日もやっているから、「明日にすれば?」と言ったのに、なぜか惺はあたしと同じ日に行くことにこだわった。<br />「俺、祥子さんに挨拶してくるわ。ワリィけど、もうちょっと待っててくれる?」<br />「うん、いいよ」<br /> 惺は、片手を上げると画廊の中へ入って行った。<br /><br /> すっかり暗くなった、夜の銀座の通りを眺める。夜の銀座は、街燈や店々の灯りに彩られていっそう大人の街の表情を深くする。<br /> あの街燈の下、背の高い有さんが待っていてくれたっけ。あの頃は、まだつき合ってすらいなかった。街燈の光に揺れる細長いシルエットが、懐かしく思い出されて…あれ?<br /> その街燈の下を通って、心に残る残像より少し背の低い人がこちらに歩いてくる。<br />「専務、どうしたんですか?」<br />「ああ、沢口さん。実はすぐ近くで打ち合わせがあったもので。この間教えてもらった画廊が気になって、ちょっと寄り道したんです」<br /> あ、今日は一般のお客さんは入れないんだけど…。<br /> 専務に事情を話して、あたしは謝った。<br />「いや、いいんですよ。もうこの時間だと、閉まっているだろうと思っていましたから。どうせ帰り道ですし、場所だけ確かめておきたかっただけです」<br /> そう言うと、三代目はリラックスした表情で微笑んだ。<br /> とそこへ、惺が画廊から出てきた。<br /> 三代目の表情が、途端に仕事モードのときと同じになる。<br />「あ、えっと?」<br /> 三代目のことを知らない惺が、戸惑っている。<br />「あ、惺。こちら、浅野専務。あたしの上司」<br />「沢口菜乃果が、いつもお世話になっております」<br /> 見た目からは想像もつかないちゃんとした挨拶に、三代目の眼が意外だと言う風に見開かれた。<br />「専務、こっちは高校の同級生だった氷川惺です」<br />「はじめまして」<br /> 三代目がめずらしく訝(いぶか)るような表情で、それでもきちんと挨拶を返した。<br /> なんとなく気まずいあたしは、余計な言い訳をしてしまう。<br />「え、えっと。こ、こう見えてですね、実はT大の…」<br /> 大学院生で、と言おうとしたあたしを惺が遮る。<br />「菜っ葉、いいから」<br />「え?」<br /> ぽかんとしたあたしに、惺はにやぁと笑うと言った。<br />「菜っ葉、腹減った。俺、今日金ないから奢ってくんない?」<br /> は? 突然どしたの、惺?<br />「い、いいけど?」<br /> 訝しがりながらもそう答えると、惺はあたしの腕を掴んで言った。<br />「じゃ、失礼しま~す!」<br /> 惺に腕を取られ、引きずるように歩かされながらも、あたしは振り返って専務に向かって叫んだ。<br />「す、すみません。あ、あの、失礼します!」<br /><br /> 画廊があった路地から大通りへ出て曲がったところで、惺はやっとあたしの腕を離した。<br />「もうっ、どうしたの、惺?」<br />「別に」<br /> 心の中が読めない飄々とした表情で、惺はそう言った。<br />「惺、お腹空いてるの?あたし、さっきサロンで結構食べたから、あんまりお腹空いてないの」<br />「なんだ。この間、菜っ葉に奢ってもらったから、今日は俺がご馳走しようと思ったのに」<br />「何言ってるの。さっきは、お金ないから奢れって…」<br />「ウソだよ、あれ」<br /> まあ、さっきの態度と言い方は、確かに惺らしくない。でも、なんで?<br />「俺、金ないから奢れなんて、女子に言う趣味ないから」<br /> 確かに、いままでそんなことを言われたことがない。あたしが働きだしてからは、奢るよって言うんだけど、よほどの事がない限り割り勘だ。だって友達だもの、つき合ってる訳じゃない。<br />「じゃあ、なんでさっきはあんなこと言ったの?」<br /> それには答えず、惺は意味の分かんないことを言う。<br />「なぁ、菜っ葉。あの専務、だっけ?俺のこと、とやかく言ったら、あいつ、菜っ葉のこと気になってるってことだぞ」<br />「あ。それならもう言われた」<br />「え?」<br />「あなたの知り合いは、変わった人が多いですねって。会社の前で仁王立ちして呼び出す女性とか、ビジネス街に似つかわしくない金髪ミュージシャン風の男性とか、だって」<br />「仁王立ちして呼び出す女性?」<br /> 惺がちょっとびっくりした顔になって、立ち止まった。<br />「誰、それ?」<br /> 人波を邪魔して立ち止まった惺の腕を、今度はあたしが引っ張って歩き出す。<br />「りこさん」<br />「りこちゃん? え、菜っ葉の会社まで来たの?」<br /> うん、と頷く。<br />「何しに?」<br />「えっと、ちゃんと話すから、どっか入ろ?お腹空いてんでしょ、惺?」<br />「ハンバーガーとかでいいよ」<br />「うん」<br /><br /> ハンバーガーショップに入って、向かい合って座った惺に、あたしはりこさんが来たときのことをかいつまんで話した。<br /> チーズバーガーを食べながらそれを訊き終えると、惺はポテトを一本摘んで差し出しながら言った。<br />「ほら、あ~ん。しっかし、りこちゃんらしいな」<br />「だよね」<br /> と同意すると、あたしは惺が差し出したポテトをぱく、と食べる。<br />「でも、誰から訊いたんだろ?」<br /> 惺が、自分もポテトを食べながら首を傾げた。<br />「惺が話したわけじゃないの?」<br />「なんで俺が。そんなことペラペラ話さないよ。しかも、りこちゃんだぜ。どういう行動に出るかは予測が…」<br />そこまで言うと、惺は唐突に「あ!」と何かに思い当ったようだ。<br />「何?誰かわかったの?」<br /> そう訊いたあたしを、惺はじぃと見つめた。<br /> ん? 何? どうしたの?<br />「菜っ葉は、誰だと思う?」<br /> え? <br />「う~ん、惺のお母さんとか?」<br /> それぐらいしか、思いつかない。 まさか、お父さんとか?<br />「やっぱ、菜っ葉は鈍いな。だけど、そこがいいところだ」<br /> 酷い、鈍いって、しかもそこがいいだなんて訳がわからない。<br />「なによ、わかったなら教えてよ、惺」<br /> あたしはちょっと拗ねて、そう言った。<br /> だけど惺はそれには答えず、さらに訳のわからないことを言う。<br />「なあ、菜っ葉。どんなに淋しくても、あんな専務なんかに心変わりするなよ」<br /> ますます酷い、あたしの有さんへの気持ちを疑うなんて。あたしには、有さんだけだ。有さんの代わりなんて、世界中探したっていないんだから。<br />「惺のバカ。心変わりなんて、出来る訳ないでしょ!」<br />「ホントか?」<br /> 結構ムキになって唇を尖らせたあたしの顔を、惺が覗き込む。<br />「惺のバカ。ホントに決まってるでしょ!」<br /> 有さんへのいまでも溢れるくらいの恋心を疑われたみたいで、悔しさに涙が滲みかけたあたしの頭を惺は優しく撫でた。<br />「菜っ葉、いい子だ。それでこそ、俺の菜っ葉だ」<br /> なによ、子ども扱いして。あたしの方が2か月お姉さんなのに。<br /> でも。<br /> 撫でてくれる惺の手はとても安心できて、あたしの我慢をし続けている心はするすると解(ほど)けてしまう。<br />「…っ、有さんが好き。逢いたい、逢いたいよ」<br /> もう、駄目だった。<br /> 店内に他のお客さんがいるとわかっていても、もう嗚咽を抑えることができない。一生懸命に声を殺して泣くあたしを、惺は黙って撫で続けてくれた。</span><br /><br /><br /><a href="http://www.alphapolis.co.jp/cont_access2.php?citi_cont_id=357034555" target="_blank"><img src="http://www.alphapolis.co.jp/cont_access.php?citi_cont_id=357034555&size=88" width="88" height="31" /></a><br /><br />
  • Date : 2017-04-02 (Sun)
  • Category : アイス
    Return to Pagetop
    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。