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⑨いいチーム

「だよね~!」 《企画開発事業部》という部署名が硬すぎると言ったあたしに、並木さんが大袈裟に同意する。まあ、最初にダサい、と言ったのは並木さんなのだけど。 そんなあたしたちに、三代目は苦笑しながら言った。「確かに、新しい風を吹き込もうとする部署とブランドに、この名称はありませんよね。ですが部署名には、新しいブランドの名前を入れたいと思ったもので…。つまり、この名称はあくまでも仮のものなんですよ」 ... <span style="font-size:large;">「だよね~!」<br /> 《企画開発事業部》という部署名が硬すぎると言ったあたしに、並木さんが大袈裟に同意する。まあ、最初にダサい、と言ったのは並木さんなのだけど。<br /> そんなあたしたちに、三代目は苦笑しながら言った。<br />「確かに、新しい風を吹き込もうとする部署とブランドに、この名称はありませんよね。ですが部署名には、新しいブランドの名前を入れたいと思ったもので…。つまり、この名称はあくまでも仮のものなんですよ」<br /> そうか、新しいブランドの名前がそのまま部署名になるのか。<br />「じゃあ、まず、ブランドのネーミングから…」<br /> よくネーミングだとか、ブランディングだとか言っていた有さんのことを思い出して、あたしは少しはりきった声を出した。<br />「それは、そうなんですが…」<br />「まず、ブランド・コンセプトが固まらないと、ネーミングには移れませんよね、専務」<br /> 並木さんのもっともな意見に、三代目が頷く。<br /> そうか、あたしったら、ホントなんにもわかってないんだな…。<br /> 今後は意気消沈したあたしに、浅野さんが助け舟を出してくれた。<br />「ふうん。じゃあ、まず最初にやることが決まったじゃないか」<br />「最初にやること、ですか?」<br /> そう訊いたあたしに、並木さんが指をパチンと鳴らして見せた。<br />「そっか。じゃあ、まずは市場調査だ!」<br />「どうやって調査する。案外、時間かかるぞ、リオン」<br /> 市場調査…。あたしもない知恵を絞って考えた。<br />「ネット・アンケートとか…」<br />「顔が見えないアンケートは、意外に本音と違う答えが出てくる場合がありますからね。複数の方向から、消費者動向を探りましょう」<br /> と三代目。<br />「あたし、昔の仕事仲間、スタイリストやヘアメイクさん、モデル事務所なんかにもリサーチしてみます!」<br /> 積極的な並木さんに、三代目が頷く。<br />「あ、あたしも…。大学時代のダンス仲間とか…」<br />「そうですね、沢口さんも並木さんも、知り合い関係はまさにターゲット年代ですからね」<br />「展示会会場で、ゲリラ・アンケートも面白いかも」<br /> 並木さんは、積極的なだけでなくアイデアマンだ。<br />「そうですね。やれることは、何でもやりましょう! うん、予想以上にいいチームになりそうです」<br /> 三代目が嬉しそうに言った。<br /> いいチーム…それは素敵な響きだった。 うん、仕事って楽しいかも、なんだか凄くワクワクする。<br /><br />✵ ✵ ✵<br /><br /> こうしてあたしの新しい社会人生活は、思わぬやりがいと良いチームに恵まれてスタートした。<br /> だけどチームとはいえ、浅野さんは外注スタッフと言うスタンスだし、三代目はもともとの専務の仕事で超多忙だ。<br /> 日中のほとんどは、並木さんとあたしの2人チーム。市場調査をしたり、レイカ・インターナショナルがこれまで取引のある生地メーカーや縫製スタッフの所を回ったり、百貨店やテナントショップ、展示会と毎日が忙しい。<br /> 社内デザイナーの部署や、企画広報などに挨拶に行って情報を貰おうとすることもあるのだけれど、何をやっているかわからない部署の新人ふたりに社内の風当たりは結構強かった。嫌味を言われたり、「どうせ経験もなくてヒマでしょ!」とばかりに雑用を言いつけられたりもした。<br /> だけど、並木さんもあたしもメゲなかった。<br />「だって、やりたいことさせてもらえてるんだもの」<br /> 並木さんが、雑誌や集めてきたパンフレットなどを切り抜いて、イメージブックを造りながら言った。<br />「この若さで、煩(うるさ)い上司に押さえつけられることもなく、自由にやらせてもらえるなんてありえないよ!」<br />「やっぱ、そうだよね」<br /> とあたしも同意する。<br /> その分、責任も大きいわけだけど、いまはそのプレッシャーすらパワーに繋がる。<br />「あたし、考えたんだけど」<br /> 並木さんが、イメージブックを眺めながら言う。<br />「デザイナーって、社内のスタッフや有名デザイナーじゃなくてコンペにできないかな?」<br />「コンペ?」<br />「うん、社内のデザイナーたちは、新しいブランド立ち上げに否定的だし、非協力的でしょ?名のあるデザイナーに頼むと、商品単価がぽんと上がってしまって、あたしたちの狙っている価格帯とターゲットに合わないじゃない」<br />「う、うん」<br /> 並木さんは、綺麗に塗ったネイルの親指を軽く噛みながら続ける。<br />「でもさ、チャンスを狙ってる、まだ日の目を見ていないデザイナーっていっぱいいると思うんだよね。それに学生だって、やる気と情熱さえあれば、コンペのメンバーに入れても面白いと思う」<br />「あ、そうだね。もうプロになった人達とはまた違った、斬新な発想があるかもしれないし」<br />「専務に提案してみようか?」<br />「うん!」<br /><br />✵ ✵ ✵<br /><br /> だけどその日、専務は就業時間が過ぎても企画開発事業部に姿を見せることはなかった。<br /> すでに7時を過ぎていて、残業代がつく残業は専務の指示がないとできない契約社員のあたしたちは、そろそろ帰り支度をするべきだろう。<br />「残念だね。デザイナーのコンペの件、早く専務に話したかったのに」<br /> 壁の時計を見上げながら、並木さんが言う。<br />「専務がいないか、ちょっと企画広報室を覗いてみようか?」<br /> あたしは、並木さんにそう提案した。<br />「また、嫌味言われるだけだよ」<br />「大丈夫!」<br /> あたしはそう元気よく言うと、企画開発事業部を出て企画広報室へ向かった。<br /> 企画広報室は、あたしがインターンシップで主にお世話になった部署だ。専務は、そこの室長でもあるのだ。兼務多すぎて、忙しいよね。体壊さなければいいけど…。<br /><br /> 企画広報室の扉を触れるか触れないか程度のノックをして、そぅっと開けて中を覗く。数人のメンバーがまだ残っていて、何やら真剣にコンピューターを覗いていた。<br />「なに?」<br /> いきなり左斜め上から声を掛けられて、あたしは文字通り猫みたいに飛び上がった。<br />「なんか、用? えーと、誰だっけ…」<br /> 企画広報室では中堅の溝口さんが腰に手を当てて、あたしを見降ろすように不愛想な口調で言った。<br />「あ、ス、スミマセン。き、企画開発事業部の沢口です。あ、あのっ、専務がいらっしゃらないかと思って」<br />「企画開発事業部? そんな部署あったっけ?」<br /> この会社で企画開発事業部の存在を知らない人はいない、おそらく悪い意味で。<br />専務が社長を説き伏せてスタートさせた、何をやっているかわからない部署。ただでさえ忙しい専務の足を引っ張るだけの、非正規雇用の素人部署。そのうち専務も飽きて放り出すに違いない、お試し道楽部署。ときどきとんでもない髪形と格好をした得体のしれない奴が出入りする、若いだけで機転が利かなそうな小娘ふたりのお先真っ暗部署…。<br /> え~と、まだあったかな…?<br /> これまで耳にした陰口は、三代目に申し訳ないとは思っても、たいして傷つきはしていない。だって結果が出せなければ、それは真実だからだ。<br />「せ、専務はいらっしゃらないようですね、失礼しましたっ」<br /> あたしは慌てて頭を下げると、逃げるようにその場を離れようとした。<br /><br />「ちょっと待ちなさいよ」<br /> たしか学生時代はバレーボールをやっていたとかで、とても背の高い溝口さんがキツイ口調で呼び止める。<br />「専務は、い・そ・が・し・い、の。いったい、誰のせいだと思ってんのかしら」<br /> あたしたちのせいですよね、ホントすみません。<br />「半人前の仕事もできないくせに、専務が室長のウチの部署をうろつかないでくれる?」<br />「すみませんでした」<br /> あたしは素直に頭を下げる。<br /> そんなあたしを、ふん、と睨みつけるように見ると溝口さんはさらに言った。<br />「アナタ、確かインターンシップで来てた沢口さんよね?」<br /> わ、やっぱり覚えてたんだ。そりゃそうだ、インターンシップ中、1・2位を争う厳しい指導をしてくれたのが、他ならぬ彼女なのだから。<br />「確か、不採用だったって訊いたけど?」<br />「あ、は、はい」<br /> どう説明していいか咄嗟に思いつかずに、あたしは狼狽えた。<br />「…あ、あの。そうです、不採用でした。で、でも、あのっ…い、いまは契約社員で…」<br /> しどろもどろも説明をするあたしを睨(ね)めつけていた溝口さんは、真っ赤な口紅を塗った唇をゆがめながら笑った。<br />「ふん、いったいどんな手を使ったのかしら?ウチの会社は、そんな下品なやり方ができる育ちの悪い人はいないはずだけど?」<br /> <br /> 悪意は、たとえそれが真実でなくとも人の心を疲弊させるものだ。どっと疲れを感じた気持ちを抱えて、あたしは企画開発事業部へ戻った。<br />「あ、おかえり。どうだった?」<br /> 並木さんの明るい表情を見て、あたしも自然に笑顔になれた。<br />「専務、いなかったぁ~」<br />「そっか。じゃあ、提案は明日だね、って、明日も専務がこの部署に立ち寄れるのかは不明だけど」<br />「うん」<br />「じゃあ、帰るとしますか」<br /> 並木さんが、スタイリストとして現場で働いていたときからのトレードマークだという大きなバッグを抱えて立ち上がった。<br />「あ、あたし、このデータだけ、打ち込んでいく。あと、ほんの少しだから」<br />「そ。無理しないでね、じゃ、お疲れっ!」<br /> 並木さんは、いつもあっさりとしていて気持ちがいい。相手の気持ちを尊重してくれて、押しつけないところも好きだ。2人チームの1人が、彼女で本当に良かったと思う。<br />「うん、お疲れっ!また、明日」<br /> 負けずにさっぱりと挨拶したあたしの気持ちからは、もう嫌なモヤモヤは消えてなくなっていた。<br /><br />✵ ✵ ✵<br /><br />「あれ? まだ残っていたのですか?」<br /> 並木さんが帰ってまだ5分も経っていない企画開発事業部の扉が、ふいに開いた。<br /> グレー地に白のピン・ストライプの洒落たスーツに身を包んだ、専務が入口に立っていた。</span><br /><br /><br /><a href="http://www.alphapolis.co.jp/cont_access2.php?citi_cont_id=357034555" target="_blank"><img src="http://www.alphapolis.co.jp/cont_access.php?citi_cont_id=357034555&size=88" width="88" height="31" /></a><br />
  • Date : 2017-03-08 (Wed)
  • Category : アイス
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