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【R18限定記事について】
男のひと目線の描写じゃなく、女子目線でホントのところを描きたいでつ お読みいただくには、パスワードを入力いただくか下記URLからどうぞ 「小説家になろう」グループ内 R18女性向小説サイト「ムーンライトノベルズ」 灯凪田テイルのXマイページへ移動します。 http://xmypage.syosetu.com/x1507h/
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528

ごめんなさ~い!

明日で8月も終わりですね。夏休みという名のおさぼりタイム満喫ちぅのmikazukiです。え?ペンネームはどうしたのかって?あ、それは小説の方に使おかなって。。。。(*´ω`*)もうね、パソコンのキーボードはmaoちゃんの枕と化しています。↓「ちょ。お昼寝の邪魔しないでょ」maoちゃんは写真撮られるのが嫌いですぐに逃げるし、あたしはドンくさいのでいつも中途半端なショットになります。ブレてないだけまだましです。(;´Д`)「こ... 明日で8月も終わりですね。<br /><br /><br />夏休みという名のおさぼりタイム満喫ちぅの<br />mikazukiです。<br /><br />え?ペンネームはどうしたのかって?<br />あ、それは小説の方に使おかなって。。。。(*´ω`*)<br /><br /><br />もうね、パソコンのキーボードは<br />maoちゃんの枕と化しています。<br />↓<br /><a href="http://otonaasabi.blog.fc2.com/img/20150830173303cca.jpg/" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-82.fc2.com/o/t/o/otonaasabi/20150830173303cca.jpg" alt="キーボード" border="0" width="259" height="178" /></a><br /><br /><img src="http://blog-imgs-1.fc2.com/emoji/2009-03-17/369100.gif" alt="" border="0" style="border:0;" class="emoji">「ちょ。<br />お昼寝の邪魔しないでょ」<br /><br />maoちゃんは写真撮られるのが嫌いですぐに逃げるし、<br />あたしはドンくさいのでいつも中途半端なショットになります。<br />ブレてないだけまだましです。(;´Д`)<br /><br /><img src="http://blog-imgs-1.fc2.com/emoji/2009-03-17/369100.gif" alt="" border="0" style="border:0;" class="emoji">「このね、硬さと凹凸が気持ちいぃのよ。<br />ツボ押し効果で、小顔になったゎ」<br /><br />嘘だぁ、4キロ越えのままじゃん。<br /><br /><img src="http://blog-imgs-1.fc2.com/emoji/2009-03-17/369100.gif" alt="" border="0" style="border:0;" class="emoji">「るっさいわねぇ<img src="http://blog-imgs-1.fc2.com/emoji/2008-11-30/329788.gif" alt="" border="0" style="border:0;" class="emoji"><br />黙れ!<span style="font-size:large;">胃弱・軟弱・あまのじゃく</span>!!」<br /><br />おぉ! にゃんこのクセに<span style="font-size:large;">韻を踏んでる</span>ゎっ\(◎o◎)/!<br /><br /><s>↑注目するとこ、そこじゃねぇだろ!</s><br /><br /><br />でも。さすが我がにゃんこ。<br /><br />飼い主の意思が軟弱で、あまのじゃくな性格、<br />よぉ~くわかってます。。。。<br /><br />え?何が言いたいかと言うとですね。<br /><span style="font-size:x-small;">再開まで、もう少しお待ちください。<br />灯凪田テイル(ひなたている)の準備がまだ整っていず。。。<br /></span><br /><br /><br /><img src="http://blog-imgs-1.fc2.com/emoji/2009-03-17/369100.gif" alt="" border="0" style="border:0;" class="emoji">「もうこの際、<br />いつもの見切り発車か、<br />思い切って消えても誰も気づかないんぢゃないのぉ?」<br /><br />そ、そぅかな。(*´Д`)<br />どうしよっかな。。。。。<br /><br />え、えっとぉ。も少し、お待ちください。ごめんなさ~い!!!<br /><br /><br />
527

ペンネーム

鈴虫になってスイカの海に溺れたい季節、も少し落ち着いたこの頃。皆様、いかがお過ごしですか?おはよごぢゃります、夏休み中のmikazukiです。「ちょっとぉ。も少しマシな時候の挨拶できないの?」へ?そぉ?ぢゃ。日中の残暑はまだまだ厳しい折柄、皆さま体調など崩していらっしゃいませんか?「なんだ、やろうと思えばできるぢゃないの」はい。ヤロうと思えばデキます。  ←こら 一応、ちゃんとした(?)大人ですから(*´ω`)... <br />鈴虫になってスイカの海に溺れたい季節、も少し落ち着いたこの頃。<br />皆様、いかがお過ごしですか?<br /><br />おはよごぢゃります、夏休み中のmikazukiです。<br /><br /><img src="http://blog-imgs-1.fc2.com/emoji/2009-03-17/369100.gif" alt="" border="0" style="border:0;" class="emoji">「ちょっとぉ。<br />も少しマシな時候の挨拶できないの?」<br /><br />へ?そぉ?<br />ぢゃ。<br /><br />日中の残暑はまだまだ厳しい折柄、<br />皆さま体調など崩していらっしゃいませんか?<br /><br /><img src="http://blog-imgs-1.fc2.com/emoji/2009-03-17/369100.gif" alt="" border="0" style="border:0;" class="emoji">「なんだ、やろうと思えばできるぢゃないの」<br /><br />はい。<s>ヤロうと思えばデキます。  ←こら </s><br />一応、ちゃんとした(?)大人ですから(*´ω`)<br /><br /><img src="http://blog-imgs-1.fc2.com/emoji/2009-03-17/369100.gif" alt="" border="0" style="border:0;" class="emoji">「で?<br />今日はなんなの?」<br /><br />あ、そうそう。<br />皆様に、<s>どーでもいい</s>ご報告があります。<br /><br />え~この度、ワタクシ思うところがありまして…<br /><br /><br /><br /><br />ぺ、ペンネームなどをつけて活動してみようかと。。。。<br />(●´ω`●) ド、ドキドキ。<br /><br /><br /><img src="http://blog-imgs-1.fc2.com/emoji/2009-03-17/369100.gif" alt="" border="0" style="border:0;" class="emoji">「………」<br /><br />え…<s>突っ込んで、</s>ぢゃなくてツッコんでくれないと、<br />なんだか間が持たないし、恥ずかしい。(*^^*)<br /><br /><br /><a href="http://otonaasabi.blog.fc2.com/img/20150819170347f51.jpg/" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-79.fc2.com/o/t/o/otonaasabi/20150819170347f51.jpg" alt="いないない" border="0" width="154" height="289" /></a><br /><img src="http://blog-imgs-1.fc2.com/emoji/2009-03-17/369100.gif" alt="" border="0" style="border:0;" class="emoji">「あ~寝よ寝よ。くだらん」<br /><br />あ。ちなみにコレ↑は maoちゃんの『いないいないばぁ寝』と言いまして、<br />この顔を隠している前足をそっと持ち上げて、<br />ギロッ!と睨まれるのが大好きです。えへ(*´▽`*)<br /><br /><img src="http://blog-imgs-1.fc2.com/emoji/2009-03-17/369100.gif" alt="" border="0" style="border:0;" class="emoji">「ごらぁ。<img src="http://blog-imgs-1.fc2.com/emoji/2008-11-30/329788.gif" alt="" border="0" style="border:0;" class="emoji"><br />さらにくだらない脱線してないで、<br />そのペンネームとやらを言ってみなさいょっ!」<br /><br />あ、あ、あ。そーねそーね。<br />えっとぉ、<br /><br /><br /><span style="font-size:x-small;">灯凪田テイル (ひなたている)</span><br />   <br />とつけてみました。。<br /><br />なんか、こう。<br />ユニセックスで体温低そうな感じが気に入ってます。<br /><br /><img src="http://blog-imgs-1.fc2.com/emoji/2009-03-17/369100.gif" alt="" border="0" style="border:0;" class="emoji">「ふ~ん。<br /><span style="font-size:large;">胃弱で貧乳</span>な感じもするゎね」<br /><br />そ、そぉ?<br /><br /><br />こ、このペンネームで秋からボチボチ活動していこうかと…。<br />なので、もう少しお待ちくださいね~(^^)/~~~<br /><br />
524

③衣装選びは慎重に ⅱ

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  • Date : 2015-08-12 (Wed)
  • Category : アイス
523

➁衣装選びは慎重に ⅰ

  秋学期のメインイベントと言えば、なんと言っても学祭!だ。 今年もダンスサークルでは、何曲かダンスを披露する。 曲とメンバーを選定し、早々に練習が開始された。いつもなら衣装は、10月半ばになってから慌ただしく決めたり作ったりするのだけれど、今年はうちのサークルには専属の衣装係がいるのだ。そう、早乙女君はまだ9月中だというのに張り切っていて、みんなの練習を見ながら衣装のイメージをメモしてくれたりして...  <br /><span style="font-size: medium;"><span style="font-family: 'ヒラギノ角ゴ Pro W3';"> </span></span><span style="font-size: medium;"><span style="font-family: 'ヒラギノ角ゴ Pro W3';">秋学期のメインイベントと言えば、なんと言っても学祭!だ。<br /> 今年もダンスサークルでは、何曲かダンスを披露する。<br /> 曲とメンバーを選定し、早々に練習が開始された。いつもなら衣装は、10月半ばになってから慌ただしく決めたり作ったりするのだけれど、今年はうちのサークルには専属の衣装係がいるのだ。そう、早乙女君はまだ9月中だというのに張り切っていて、みんなの練習を見ながら衣装のイメージをメモしてくれたりしている。頼もしいんだか、どんだけ女子力高いんだか、ちょっと戸惑う。<br /><br />「部長、このスローの曲はピンクのオーガンジーなんかどうですか?」<br />「え~、ピンクぅ?あたし、薄紫の大人っぽい感じがイメージなんだけどなぁ」<br />「長倉さんには、訊いてないから」<br />「なんだとぉ、ごら、乙女っ」<br /> 知花ちゃんと早乙女君の地味な抗争はまだ続いていて、なんだか笑える。<br />「そうだね、ピンクじゃないほうがいいなぁ。でも、そのデザインはいいね。予算どれくらいかかるかなぁ?」<br />「ウチの母親のツテ使えば、安く仕入れられると思います」<br />「まじ?ありがとぉ、乙女~!」<br /> 凄い、見事な衣装係っぷりだ。<br /> 感心していると、早乙女君に訊かれた。<br />「沢口さんたちは、トレンチコート着るんだって?」<br /> そう、そうなのだ。<br /> 今年あたしが参加するダンスは、最初スローテンポのジャズで、途中から激しいアップテンポの曲になるというメリハリの効いたカッコいいもの。踊りもそれに合わせて、メンバーで喧々諤々(けんけんがくがく)かなり意見交換してつくっているので、満足いく仕上がりになりつつある。<br /> 衣装は、最初はトレンチで大人&クールなイメージ、途中からはトレンチを脱ぎ捨てて衣装チェンジをする。<br />「トレンチを脱いだ後は?」<br /> 早乙女君が、あたしたちの曲のリーダー、二宮梨華(にのみやりか)先輩に訊く。<br />「一応、黒のビスチェと黒のスキニーを予定してるんだけど」<br />「わ、カッコいいですね!」<br />「ホント?乙女もそう思う?」<br /> 二宮先輩が嬉しそうに言って、同じ曲を踊るあたしたち4人も小さくガッツポーズをして顔を見合わせる。<br />「トレンチコートは、持ってる人は自前で、あとは借りられるんでしたよね?で、ビスチェとスキニーはそれぞれが買い揃えるんですか?」<br />「うん、通販で安いの見つけた。でもね、上下真っ黒で、なんかアクセントが欲しいの。どうしたらいいと思う、乙女?」<br />「そうですね…」<br /> うん、なかなかいい感じだ。これなら、きっとカッコいい衣装になりそう。<br /><br />「全員で踊るフィナーレの衣装は?」<br />「去年は白のTシャツと、赤いチェックのミニプリーツ、黒のニーハイだったけど。こんな感じ」<br /> 副部長の佳絵先輩に言われて、知花ちゃんとあたしは去年の衣装を身に着けて部員の前で立たされた。<br />「これはこれでエロ可愛いかったんだけど、今年の曲はもう少しエロカッコいいイメージなんだよね。でも、あまりお金はかけたくないし。どうしよ、乙女?」<br />「う~ん。白Tはそのまま生かして、下は黒のフェイクレザーのショートパンツとかどうですか?この通販カタログに載ってるの、いい感じだと思いますけど。あとチェックのミニプリーツは、何枚か潰していいならベルト風リボンやサスペンダー、ガーターベルトなんかに加工して、個性に合わせて変化つけても可愛いかも」<br />「おお!」<br /> 部員全員が、感嘆の声を上げる。<br />「じゃあ、白Tはかなり短くして切込みとかも入れて肌の露出多くして、ついでにヘソ出しにしよう」<br />「ぎょえええ~!」<br /> 佳絵先輩の提案に、今度は部員全員が悲鳴に近い声を上げる。<br />「なによ、みんな。それくらいしないと、曲のカッコよさに合わないでしょ?それにフィナーレなんだし。みんなっ、今日からダイエット開始だよっ!」<br /> ひえ~、大変なことになった。クビレ、つくらなきゃ。あと、胸は寄せてあげて詰める?激しく踊っても、絶対ズレないようにしとかないと。<br /><br /><br />✵ ✵ ✵<br /><br /> ふぅ。<br /> 今日のダンスの練習は、厳しかった。<br /> 金曜の夕方、あたしはいつものように有さんのマンションにいた。合鍵を貰っているので、部屋で有さんの帰りを待つのはいつものことだ。<br /> 有さん、今日も遅いんだろうなぁ。<br /> もうすぐ10月とはいえ、今日はバリバリの暑さで、激しく踊ったこともあり、もう汗だく。有さんの部屋に入ってすぐに、まずシャワーを浴びた。<br /> で、いまは有さんのシャツを羽織って、爽○美茶を飲んでいる。ハトムギ系の味が、普通のお茶よりなぜか好きなのだ。<br /> 夕食はバゲットサンドと、海老とブロッコリーのサラダ。有さんのマンションがある最寄り駅の駅前に、ちょっとお洒落なカフェがあるのでそこでお持ち帰り用を頼んだ。<br /><br /> そう言えば、もうすぐ有さんのお誕生日だなぁ、なんて思いながらバゲットを齧る。<br /> 10月18日生まれの有さんは、天秤座。今年は運よく日曜日だから、あたしはお祝いの料理をつくろうと思っている。<br /> ならば、こんなカフェでお持ち帰りした夕食を食べているより少しでも練習した方がいいのだけれど、レパートリーが少ない上にメニューが一向に決まらない。<br /> いまだに有さんがつくる料理の方が、あたしの節約自炊料理より遥かにおいしい。盛りつけだってセンスが違うし、なにより食材にこだわっているので当然おいしい。<br /> 料理の練習もしなければならないし、ダイエットもしなければならない。これって相反するよね?<br /> 胸が大きくなって、クビレができるメニューってないのかなぁ、と都合のいいことを考えながらテレビを漫然と見る。<br /><br /> 歌番組がはじまって、ちょうどいま大人気のダンス&ボーカルユニットが出演していた。ノリノリの曲もボーカルも最高だけど、やっぱり圧巻はパフォーマーたちの軽やかでキレのあるダンスだ。鍛えられ、研ぎ澄まされた肉体ならではの完成度の高い動き、魅せることを意識したプロの振りつけも圧巻だ。<br />「はぁ~、凄いなぁ。何度見ても凄い」<br /> 近年男女ともに多い、こうしたダンス&ボーカルグループを見ていると、どうしても身体が自然に動いてしまう。<br /> あ、このステップ、新しい。あ、この動きは、去年の学祭で真似っこさせてもらったものだ。懐かしいなぁ、このステップ、難しいけど楽しかったなぁ。<br /> あたしはバッグから、去年のフィナーレの衣装を取り出した。<br /> この赤いチェックのプリーツスカート、普段はさすがに着られないくらいのミニだけど、衣装としてはとっても可愛いんだよなぁ。今年はダメでも、絶対また別のダンスで着られそうだ。潰して加工しちゃうのはやっぱりもったいない。早乙女君と副部長に、フィナーレの衣装のアクセントはなんか別なものにしたらどうかって、提案してみようかな。<br /> そう思いながら、あたしは去年の衣装を再び着てみる。<br /> そう言えば、高校のときの制服もチェックのプリーツだったな。色は深いグリーンで、もちろんこんなに短くはなかったけれど…。<br /> ちょうど番組では海外の女性アーティストたちが歌い踊りはじめていて、日本人とはちょっと違うセクシーでキュートなダンスに思わず身体が動く。<br /> ああ、やっぱりダンスって最高。<br /> ひとしきり踊って、あたしはソファに倒れ込むように座ると爽健○茶をごくごくと飲んだ。<br /> そして練習の疲れもあって、そのままウトウトと寝てしまった…。</span></span><br /><br /><br /><a href="http://www.alphapolis.co.jp/cont_access2.php?citi_cont_id=357034555" target="_blank"><img src="http://www.alphapolis.co.jp/cont_access.php?citi_cont_id=357034555&size=88" width="88" height="31" alt="" /></a><br /><br />
  • Date : 2015-08-09 (Sun)
  • Category : アイス
522

➀惺の彼女事件

  大人社会のハードルの高さやしたたかさ、複雑さ、そして一風変わった人達も垣間見ることができた夏休みが終わった。 再び同年代の騒々しさの中に戻って、懐かしい居心地の良さに、自分はまだまだ子供なのだと改めて思った。「菜乃果ぁ~、こっちぃ」 学食のほぼ定位置で、知花ちゃんが手を振っている。周りにはダンスサークルのみんな、そして黒一点の衣装係、早乙女君の姿…も見えるけど、なんか様子がおかしい。 知花ちゃ... <span style="font-size: medium;"><span style="font-family: 'ヒラギノ角ゴ Pro W3';"> <br /> 大人社会のハードルの高さやしたたかさ、複雑さ、そして一風変わった人達も垣間見ることができた夏休みが終わった。<br /> 再び同年代の騒々しさの中に戻って、懐かしい居心地の良さに、自分はまだまだ子供なのだと改めて思った。<br />「菜乃果ぁ~、こっちぃ」<br /> 学食のほぼ定位置で、知花ちゃんが手を振っている。周りにはダンスサークルのみんな、そして黒一点の衣装係、早乙女君の姿…も見えるけど、なんか様子がおかしい。<br /> 知花ちゃんに手招きされるままに、あたしはカレーとミニサラダを乗せたトレーを持ってみんなのところへ行った。<br />「見てよ、この情けない姿」<br /> 知花ちゃんが、お弁当を食べようともしないでテーブルに突っ伏したままの早乙女君を顎で指す。<br />「どうしたの?早乙女君」<br />「惺君に、彼女ができたらしいよ」<br />「えぇええ~っ!」<br /> 早乙女君の代わりに答えた知花ちゃん言葉に、あたしは盛大に驚いた。<br />「どんな娘(こ)? T大の娘(こ)?」<br />「さぁ?こら、乙女っ!泣いてないで、もっと詳しく教えなよ」<br /> 知花ちゃんが早乙女君の肩を、人差し指で突(つつ)く。<br />「ふぇ~っ。言いたくないっ、思い出したくもないっ」<br /> 早乙女君は、相変わらず突っ伏したまま泣き声だ。<br />「なによ、自分から切り出した癖にっ」<br /> 知花ちゃんが、ぷんと唇を尖らせて怒る。<br />「まぁまぁ」<br /> そんな知花ちゃんを宥(なだ)めてから、あたしは早乙女君に優しく言った。<br />「ね。早乙女君、勘違いかもしれないじゃない。話してごらんよ」<br /> 早乙女君が、やっと顔を上げてぐず、と鼻水を啜った。マジ、泣いてたんだ…。<br />「うっ、く…。やっぱり、沢口さんは優しい…」<br />「なによっ!それじゃあ、あたしが優しくないみたいじゃないのっ」<br /> 厳しく言う知花ちゃんに、早乙女君は恨めしそうな視線を送る。<br />「ち、知花ちゃん。取りあえず、訊いてあげようよ」<br /><br /> <br /> ぐずぐずと、早乙女君が話すところによると、こういうことらしい。<br /> 夏休みのある日、早乙女君は惺に呼び出された。<br /> なんでも、日本橋にある和装と小物のお店につき合ってほしいとのこと。<br />「着物の店なんて、行ったことないし。それにほら、俺、こんなカッコだろ?一人じゃ入りにくいじゃん」<br /> 一人じゃなくても、そのカッコでは入れてもらえないのでは?と思いつつも、早乙女君は訊いた。<br />「なんで、そんなお店に行きたいの?」<br />「うん?ちょっと欲しいものがあってさ」<br /> 着物を着た上品な女性が眉をひそめながら接客するそのお店で、自他ともに認める場違いな惺は汗をかきながら、それでも頑張って1本のかんざしを買ったそうだ。<br /><br />「え…かんざし?」<br /> 思わずそう呟いたあたしの言葉は、知花ちゃんの豪快な笑い声に消された。<br />「あっはっはっは。日本橋の上品なお店で、着物を着た店員さんにじろじろ見られながらかんざし選んでる惺君の姿、目に浮かぶっ!あははっ、乙女、止めてよ。なんの罰ゲーム?お腹痛くて、死ぬっ。ひぃひぃひぃ」<br /> 本当にお腹を抱えて、涙まで浮かべて笑い転げている知花ちゃんを睨みながら、早乙女君は言った。<br />「もうっ。これだから、長倉さんに話すのヤだったんだ」<br />「あはは、ごめん。だって、可笑しすぎ。あはっ、ひぃっ」<br /> まだ、笑いが止まらない様子の知花ちゃんは放っておいて、あたしは早乙女君に訊いた。<br />「そ、それで。惺は、そのかんざし、彼女にあげるって言ったの?」<br />「そうじゃないけど…」<br /> 早乙女君は、途端にもじもじした様子で続ける。<br />「お、乙女の勘っていうか…。だって、あの氷川君が冷や汗かきながら、僕に付いてきてもらってまで買う相手って。彼女しか、考えられないでしょ?」<br /> まあ、それは一理あるけど…。<br />「なぁんだ、確かめたわけじゃないんだ。そのかんざし、お母さんへのプレゼントかもしれないじゃない」<br /> 大爆笑から復帰した知花ちゃんが、口を挿む。<br />「お、お母さんじゃないと思う」<br />「なんでよ。なんでそう言い切れるのよ、乙女っ」<br /> 迫る知花ちゃんに、早乙女君は再び涙目になりながら言った。<br />「だって、だって。氷川君の、あの大人でエレガントなお母さんになら、もっと違うデザインのを選ぶと思うもの」<br />「ふうん。それ、どんなデザインだったの?」<br />「…金魚」<br />「えっ」<br />「え…」<br /> え…、が知花ちゃんとかぶってしまった。<br />「ふうん」<br /> と知花ちゃんが、思案顔になる。こんな顔になったときの知花ちゃんは、そのあとにぶっ飛び発言をすることが多いのだ。<br />「それはやっぱし、彼女だね。でもさ、金魚のかんざしが似合う彼女って、どんな彼女ぉ?あはは、もしかして出目金顔とか?あははっ、ヤダ、乙女、笑わせないで。ぷはっ、ひぃ」<br /> 知花ちゃん、笑い過ぎ…。<br />「もうっ、長倉さん。酷いっ!」<br /> 何とも言えない顔になって、早乙女君が叫ぶ。<br />「あ、あのさ。早乙女君、ホントに金魚だったの?」<br /> そう訊いたあたしに、早乙女君は大きく頷くと言った。<br />「うん、だって目の前で見てたもの。それに、僕はもっと女の子らしいお花柄のかんざし勧めたのに、惺君は金魚がとっても気に入ったみたいで。しばらく手に取って眺めた後、『うん、これなら絶対似合う』ってとっても幸せそうな顔したんだもの」<br /> そ、そう。<br /> それでも念のため、あたしはさらに訊いてみた。<br />「金魚のほかに、もう一本、かんざし買わなかった?」<br />「?なんで?」<br />「あ、いや。本命の彼女にはお花で、友達にはついでに金魚とかって、アリかなって思って…」<br /> 早乙女君が、ちょっと怪訝な顔になる。<br /> あたしは、それを見てなんだか焦ってしまって、狼狽える。<br /> 早乙女君が、ますます怪訝そうにあたしの顔を覗き込んだ。や、やばい?<br />「あの…まさか」<br />「え?い、いや…その」<br />なんだか目の前の早乙女君の顔が、見る見る笑顔になっていく。<br />「そっか、そういうこと。うん、わかった。…よかった」<br /> 笑い転げていた知花ちゃんが、ひぃひぃ言いながら早乙女君に訊く。<br />「なに?どうしたの?いきなり笑顔になっちゃって。乙女、惺君の彼女事件はもう解決したの?」<br /> 早乙女君が、ピカピカの笑顔で知花ちゃんに力強く頷いた。<br />「うん。やっぱ、彼女できてないみたい」<br />「な、なんで?そう言い切れるの?」<br />「長倉さんは、もういいから。もうこの話は終わり!」<br />「な、なによぉ。人が心配して、訊いてやってんのに」<br />「笑ってただけでしょ?長倉さんが、どんだけ酷い人か、友達甲斐のない人かよぉくわかったから!」<br />「ちょ。なによ、乙女っ。失礼なっ。もう、相談になんか乗ってやんないからねっ」<br />「大丈夫。長倉さんには、何があっても、金輪際、相談なんかしないから」<br />「おっ乙女っ、ゴラァ~!」<br /> 元気になった早乙女君が、めずらしく知花ちゃんに負けずに言い返している。<br /> うん、知花ちゃん。確かに笑い過ぎ、友達甲斐ないよ。まぁ、本当に大事な場面では頼りになる人なんだけどね。<br /> でも、そうか。<br /> そんな冷や汗かく思いしてまで買ってきてくれたんだ、あの金魚のかんざし。<br /> 偶然見つけたみたいなこと言ってたのに。ありがと、惺。やっぱ優しいね。<br /> <br /><br />✵ ✵ ✵<br /><br />「氷川く~ん♡」<br />「おぅ、乙女。 なんだ? 今日は無茶苦茶、機嫌いいな。なんか、いいことあったのか?」<br />「この間は、ゴメンね」<br />「この間?ああ、日本橋行ったときか?そうだよ、お前急に機嫌悪くなるから、心配してたんだぞ。まあ、あんな居心地悪い店につき合わせた俺も悪かったけどさ」<br />「ね、氷川君。訊いてもいい? うふっ♡♡」<br />「な、なんだよ?」<br />「氷川君、まだ彼女つくらないの?もじもじ…」<br />「え?なんだよ、急に」<br />「うふん、T大に気になる娘(こ)とかいないの?」<br />「え、いや。いないこともないけど。この間、コクられたし。同級生と後輩のふたりに」<br />「え”…き、訊いてないっ!」<br />「ま、まぁ、話してなかったからな」<br />「まさか、つき合ったりしないよね?ねっねっね?」<br />「え、いや。後輩はかなり可愛い娘(こ)でさ。つきあっても、いいかなって…」<br />「え”~~~~~っ」<br />「お、おい。なに、また機嫌損ねてんだよ。しょうがないだろ、お前とつき合う訳にはいかないんだから。俺、ノーマルだし」<br />「ひ、酷いっ!」<br />「わ、乙女。泣くな、こら」<br />「うわぁ~~~ん!」<br />「ったく、しょうがないな。女ってやつは。あれ?乙女も女でいいか?いいんだよな?」<br />「うわぁぁ~~~」<br />「お、乙女、乙女。お前は可愛いぞ、泣くな。な、泣き止んでくれよぉ。とほほ」</span></span><br /><br /><br /><a href="http://www.alphapolis.co.jp/cont_access2.php?citi_cont_id=357034555" target="_blank"><img src="http://www.alphapolis.co.jp/cont_access.php?citi_cont_id=357034555&size=88" width="88" height="31" alt="" /></a><br /><br />
  • Date : 2015-08-08 (Sat)
  • Category : アイス
520

㉕幻は縛れない

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  • Date : 2015-08-02 (Sun)
  • Category : アイス
519

㉔大輪の幻

 リビングの窓に上がるパノラマサイズの花火を堪能しつつも、小梅さんたちの話題はいつしか仕事のことになっていた。「小梅、新田さん独立するってホントか?」 北条さんの問いに、小梅さんが首をすくめて答えない。「なぁに、小梅ちゃん。まだ箝口令(かんこうれい)敷かれてるってこと?」 菅原さんも柔らかな口調でさぐりを入れている感じだ。「まあ、いままで新田さんが独立しなかったことが不思議っスよね。小梅さん、もし... <span style="font-size: medium;"><span style="font-family: 'ヒラギノ角ゴ Pro W3';"><br /> リビングの窓に上がるパノラマサイズの花火を堪能しつつも、小梅さんたちの話題はいつしか仕事のことになっていた。<br />「小梅、新田さん独立するってホントか?」<br /> 北条さんの問いに、小梅さんが首をすくめて答えない。<br />「なぁに、小梅ちゃん。まだ箝口令(かんこうれい)敷かれてるってこと?」<br /> 菅原さんも柔らかな口調でさぐりを入れている感じだ。<br />「まあ、いままで新田さんが独立しなかったことが不思議っスよね。小梅さん、もし新田さんが独立したら、ついて行くんスか?」<br />「だから、そんな話は出てないって」<br />「またまたぁ、もうかなり噂になってますよ?」<br /> 食い下がる鈴木さんを、小梅さんが軽く睨んで日本酒をぐいっと飲んだ。<br /><br /> 有さんが小声で、いま話題に登っている新田さんという人について教えてくれた。<br /> なんでも有さんの会社はもちろん、広告業界でもかなり有名な人らしい。小梅さんのチームのボスで、国内外の広告賞を多数受賞している凄い人なんだそうだ。<br /> でも多くのチームのボスと違うのは、チームを仕切っているというより、チームで一番暴れている破天荒な人らしい。<br />「新田さん、ボスのくせして一番の暴れ馬だから、独立するとしたら篠崎さんも連れて行くのかなぁ?」<br />「まぁ、篠崎さんは新田さんの手綱を握れる唯一の人だからねぇ」<br /> そう言った菅原さんに、小梅さんがぼそりと言った。<br />「そうでもないよ」<br />「なんだよ、小梅。どういうことだよ?」<br /> 北条さんが、ウイスキーグラスを傾けながら訊く。それには答えず、小梅さんは有さんの方を見て言った。<br />「有、新田さんがチーム立ち上げるとき、なんで新田チームに入ること断ったの?」<br />「えええ~っ、氷川さん、断ったんスかぁ?なんてもったいない、てか、羨ましい。いや、むしろカッコいい」<br /> 素っ頓狂な声でわらわらと思ったままを口にする鈴木さんの頭をパシと軽く叩いて、小梅さんが続ける。<br />「有が断ったから、新田さんは篠崎さんに頼んだんじゃん」<br />「小梅、俺なんかにあの暴れ馬の手綱を引くのは無理だ」<br /> 有さんが、なんの感情も込めずにそう言った。<br />「だけど、篠崎さんは自分のチーム持つ話を諦めて、新田さんのチームに入ったんだよ」<br />「マジ?」<br /> 小梅さんの言葉に、北条さんの涼しげなお公家さん顔が驚いた表情になる。<br />「そりゃそうだよ。篠崎さんだって、新田さんとタイプは違うけど超優秀なクリエーターだもの。自分のチーム持って当然でしょ。むしろ会社的には、あの二人が同じチームって、もったいないっていうか…」<br />「そうっスね、それぞれがバリバリ活躍してくれたら、会社としてもウハウハの二枚看板になるわけだし。それに俺、篠崎チームなら入りたいなぁ」<br /><br /> よくはわからないけど、篠崎さんも新田さんと同じくらい優秀なクリエーターなのだということは理解できた。そしてそんな新田さんという人に求められる有さんも、きっとあたしが考える以上に優秀なのだ。やっぱり凄いなぁ、有さん。<br />「もし、もしもだよ。新田さんが独立するとして、そのときまた誘われたらどうするの?」<br /> 小梅さんが真剣な顔で有さんに訊ねるから、新田さんという人の独立話は事実だとその場の誰もが暗に確信したようだった。<br />「小梅はどうするんだ?」<br />「質問に質問で答えるなんて、狡いよ、有」<br /> 小梅さんが呆れたような顔になって、それでも有さんのグラスに氷とウイスキーを継ぎ足す。<br />「小梅ちゃんはやっぱり、新田さんと最後まで心中するのぉ?」<br /> そう訊いた菅原さんに、小梅さんが頷く。<br />「まあね。だってあんな面白くて刺激的な人、ほかにいないもん。40過ぎて、若手の誰よりも革新的だし、必ず結果出すって凄いよ」<br />「氷川さん、きっと誘われるっスよ。いいなぁ」<br />「なんだよ、鈴木。お前、篠崎チームがいいんじゃなかったのかよ?」<br /> 羨ましがる鈴木さんに、北条さんが冷静なツッコミを入れた。<br />「だってやっぱり、新田さんは憧れっスよ。まぁ、あのスーパーエキセントリックな暴走車と一緒に仕事するって考えたら、いろんな意味で覚悟がいるっスけどね」<br />「有、覚悟しといて」<br /> そうダメ押しした小梅さんに、有さんは肯定でも否定でもない感じで頷いていた。<br /><br /> みなさんが仕事の話をしている間も、花火は夜空を彩り続けていて、あたしはその華麗で繊細な美しさに心を奪われっぱなしだった。<br /> こんなに正面から、花火大会を堪能したのは初めてだ。しかも冷房の効いた部屋で、おいしいおつまみと麦茶を味わいながら。<br /> 細かいことだけど、小梅さんが出してくれた麦茶は、ちゃんと煮出してあると思う。水出しではでない、香ばしさといい香りがする。小梅さんてきっとこだわるところはこだわって、自分にとって大事なことはきちんとするタイプなんだろうな。<br /><br /> 小梅さんが使った食器をキッチンに運ぼうとしているから、手伝うことにした。だって一番年下だし、有さんにくっついてお邪魔しているのだから、それくらいはしないと。<br />「あ。ありがと」<br /> お皿やコップを運んでいくと、小梅さんがそう言う。<br />「あの、あたし洗います」<br />「いいよ、ゆっくり座って楽しんでて」<br />「でも…」<br />「女子だし、一番年下だからって思ってる?そういう気遣い、ここではいらないから」<br />「…でも、手伝いたいんです」<br />「花火好きなんでしょ?せっかく観に来たのに」<br />「もう十分堪能しましたから」<br /> 小梅さんは気さくに笑って、それからあたしの格好をしげしげと眺めた。<br />「でもさ、浴衣、濡れちゃうよ」<br />「あ…」<br /> 有さんのお母さんにお借りした浴衣だ。ちょっと困っていると、小梅さんが「待ってて」と言ってリビングの先の部屋に消えた。<br /><br /> そして戻ってきた小梅さんの手には、大きなクリップとエプロンがあった。<br />「襷(たすき)になりそうな紐、なかったからこれで」<br /> 小梅さんはそう言うと浴衣の袖をクリップで器用に後ろで一つにまとめ、エプロンを貸してくれた。<br />「これなら、大丈夫だね?」<br />「ありがとうございます!」<br /> あたしはお礼を言って、早速、洗剤をつけたスポンジで食器を洗いはじめた。小梅さんが、それを水洗いしていく。<br />「あの、小梅さん…あっ」<br />「ん?なに、どうしたの?」<br />「ご、ごめんなさい。あ、安藤さん」<br /> 言い直したあたしに、小梅さんがあははと楽しげに笑う。<br />「いいよ、小梅で」<br />「す、すみません」<br />「謝らなくても」<br /> 相変わらず食器を洗う手は休めずに、小梅さんと息があった感じを実感しながらあたしは訊いた。<br />「小梅さん家の麦茶、とってもおいしいですね」<br />「そぉ?普通の麦茶だけど?」<br />「でも、ちゃんと煮出してありますよね。香ばしい味がして、それにとてもいい香りがします」<br /> く、と小梅さんが笑うから、何か変なことを言っただろうかと、あたしは焦った。<br />「ごめんなさい、偉そうに」<br />「別に、偉そうじゃないよ。なんか、沢口さんて正直だなって思っただけ」<br /> それから小梅さんは、ちょっと思い出したような表情になっていった。<br />「あたしね、おばあちゃん子だったんだ」<br />「そうなんですか」<br />「うん。で、煮出した麦茶は、おばあちゃん家で過ごした夏休みの味なんだよね」<br /> うわぁ、なんか素敵な思い出だな。<br />「うちは両親共働きだったから、夏休みとか長い休みになると、おばあちゃん家に預けられてさ」<br />「はい」<br />「それが、すごく楽しみだったんだ」<br />「なんか、いいですね」<br /> あたしがそう言うと、小梅さんは嬉しそうに頷いて続ける。<br />「子供の頃は苦手だった煮魚とか、野菜の田舎料理とか、30過ぎると無性に食べたくなって。しかもおいしく感じるんだよね」<br /> うんうん、と頷きながらあたしは小梅さんの話を訊く。<br />「だから夏になると麦茶は必ず煮出して、秋になるとナスのシソ巻きをつくるんだ」<br />「素敵ですね」<br /> そう言ったあたしに、小梅さんはまた嬉しそうな顔をした。<br /><br />「なんかさ」<br />「え?」<br />「できればずっと、有の傍にいてやってよ」<br /> どうして突然そんなことを言うんだろう?<br /> そう思ったあたしの気持ちは、顔に現れていたらしい。<br />「あいつさ、なんか人との関わり希薄でさ」<br /> そうか、小梅さんにもそんな感じに見えてたんだ。<br />「だけど、そんなあいつがいままでどんなに誘っても来なかった『花火を肴に酒呑む会』に初めて参加した」<br />「あ。そう言えば初めてだって、言ってました」<br />「うん。花火を大好きだって娘(こ)に観せたいからって」<br /> そうか、あたしのために初参加してくれたんだ、有さんは。有さんの気持ちが嬉しくて、あたしは顔が紅潮したのを感じた。<br /> そんなあたしを、小梅さんがじっと見る。<br /> ??<br /><br />「あいつさ」<br />「はい」<br />「花火、嫌いなんだよ」<br />「えっ…」<br /> 心底驚いたあたしを、小梅さんが労わるように見た。<br />「ごめん、変なこと言って。でも、それでも沢口さんに観せたかったんだろうな」<br />「どうして…嫌いなんでしょう?」<br /> ちょっと迷ったあと、小梅さんはなんでもない風を装ってさらりと告げた。<br />「幻だからって」<br />「ま、ぼろ、し?」<br />「うん。どんなに大輪で華やかで、どんなに美しく繊細な花火も、所詮は幻だって」<br /> まぼろし…。<br /> 胸の奥が、ちくりとした。<br /> 有さんは…。<br /> 有さんの人生は、否応なしに幻の連続だったのではないか。<br /> 生まれてから両親の顔も名前も知らない、自分のルーツすら幻のまま。やっと親だと思おうとした人達は、やがて弟の存在がやはり幻じゃないかと突きつける。<br /> そんな自分を情けないと思って描いた母親の絵は、どうしても正面から描けなかった。あの絵を描いているとき、有さんの心にはどんな母親の表情が浮かんでいたのだろう。それも結局は、曖昧模糊とした幻だったんだろうか。<br /> 胸を塞ぐような息苦しい痛みに言葉を飲んだままのあたしに、小梅さんが言った。<br />「だから、沢口さんは幻にならないでやってよ」</span></span><br /><br /><br /><a href="http://www.alphapolis.co.jp/cont_access2.php?citi_cont_id=357034555" target="_blank"><img src="http://www.alphapolis.co.jp/cont_access.php?citi_cont_id=357034555&size=88" width="88" height="31" alt="" /></a><br /><br />
  • Date : 2015-08-01 (Sat)
  • Category : アイス
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